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精神保健福祉士/相談支援員
精神保健福祉士/相談支援員。基幹相談支援センター勤務。20代で精神疾患を患うも、心理療法等により克服し社会復帰。40歳で障がい福祉職に転職。学んだ全てを「生きやすくなる知恵」として整理しながら、生きづらさや心の葛藤を抱えた人への支援に従事している。
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アイメッセージとは?関係を壊さずに自分の気持ちや依頼を伝えるスキル|アサーション【2】

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目次

はじめに

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この記事では、「私」を主語にした「アイメッセージ」を使うことで、信頼関係やパートナーシップを壊すことなく、気持ちや考えを伝える方法を解説します。

あなたが、大切な人との会話の中で「アイメッセージ」を取り入れることで、お互いを尊重し合える健全な関係を築くための、スキルのひとつとして参考になれば幸いです。

1.アイメッセージとは?

1-1.アイ(I)メッセージ

アイ(I)メッセージとは、自分の気持ちや考えを「私」を主語にして伝える方法です。

たとえば、「あなたはいつもギリギリの時間に来るね」と言う代わりに、「私は待たされると不安になるんだ」と伝える表現です。

このように、

アイ(I)メッセージを使うと、相手を責めることなく、自分の気持ちを伝えることができます。

1-2.ユー(You)メッセージ

反対に、あなたを主語にした表現が、ユー(You)メッセージです。

先ほどの例では、「あなたはいつもギリギリの時間に来るね」という言い方が、まさにユー(You)メッセージです。

このような言い方では、関係性が壊れてしまいがちなのは明らかなのがわかると思います。

なぜなら、ユー(You)メッセージを使うと、相手についての判断や批判を伝えてしまうからです。

2.アイメッセージで相互尊重の関係を作る

ここからは、ユー(You)メッセージアイ(I)メッセージに変えた会話の例を紹介します。

それぞれの場面をイメージしながら、相手に与える印象がどのように違うかを、感じ取ってみてください。

2-1.職場での例:やる気のなさそうな部下を叱りたい場合

ユー(You)メッセージの場合

上司

Aさんは、いつも話を聞いてませんね?!
あなたからは、仕事を覚える気持ちが感じられませんが…。

部下(Aさん)

スミマセン。

部下(Aさん)

(また理不尽な怒られ方…。今度こそパワハラでSNSに書き込んでやろうか…)

アイ(I)メッセージの場合

上司

Aさん、それについては既に説明したと思うんですが、私の説明で分かりにくいところはありますか?
私としては、チームとして質の高い仕事をしたいので、どうしたらAさんにもっと伝わりやすくなるのか、一緒に考えたいと思っています。

部下(Aさん)

スミマセン。実は、言われたことを理解したつもりでも、いざやろうとすると分からないことも多くて…。相談に乗っていただけるのは、大変有り難いのですが、よろしいのでしょうか?

上司

もちろんです。

部下(Aさん)

ありがとうございます!!

2-2.パートナーシップの例:LINEの返信に対する不満を伝えたい場合

ユー(You)メッセージの場合

Bさん

また既読スルー?
あなたって、やっぱり私の気持ち全然分かってくれてないのね?!それとも、もう私のこと好きじゃなくなっちゃったのかしら?

Cさん

仕方ないじゃん!仕事中に、そんなにすぐ返信できるわけないって!それぐらい分かってくれないかな?!

アイ(I)メッセージの場合

Bさん

、LINEの返事遅いとさ、不安になっちゃうんだ。
最近、仕事が忙しかった?

Cさん

不安にさせてホントごめん。確かに忙しくってさ…。でも、なんとか時間作るようにしてみる。

2-3.親子関係の例:高齢の親に施設を勧めたい場合

ユー(You)メッセージの場合

お母さん、私に頼りっぱなしよね。
私の負担も少しは考えてほしいんだけど…。

何その言い方?!
子どもが親を助けるのは当たり前じゃない!!

アイ(I)メッセージの場合

、そろそろまた働きたいなって思ってます。社会に出て、人と繋がるのが楽しいのが一番の理由かな。

お母さんも施設に入って、ちゃんとした人に助けてもらいながら、お母さんのやりたいことをやってほしいなって、私は思うの。

お母さんは、どう思う?

そう…私もあなたに負担かけてるなって思ってたの…。言いにくいのに気持ちを話してくれてありがとう。ゆっくり考えてみるね。ごめんね。

お母さんを責めてるわけじゃないしさ。
だから、謝らないで。相談して?

ありがとう。

まとめ

このように、「アイメッセージ」を使うと、感情的に相手を責めたり否定したりすることなく、自分の気持ちや考えを冷静に伝えることができます。

また、そのような対話を重ねることで、お互いの欲求やニーズを尊重し合える「アサーティブな関係」を築いていくことが可能になります。

あなたもぜひ、日常会話に取り入れ、その効果を実感してみてくださいね。

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参考文献

  • マシュー・マッケイ (2011). 弁証法的行動療法 実践トレーニングブック‐自分の感情とよりうまくつきあってゆくために‐星和書店.(原著: Dialectical Behavior Therapy Skills Work-book: Practical DBT Exercises for Learning Mindfulness, Interpersonal Effectiveness, Emotion Regulation & Distress Tolerance). https://amzn.to/47S8FeO
シン
精神保健福祉士/相談支援員
精神保健福祉士/相談支援員。基幹相談支援センター勤務。20代で精神疾患を患うも、心理療法等により克服し社会復帰。40歳で障がい福祉職に転職。学んだ全てを「生きやすくなる知恵」として整理しながら、生きづらさや心の葛藤を抱えた人への支援に従事している。

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