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精神保健福祉士/相談支援員
精神保健福祉士/相談支援員。基幹相談支援センター勤務。20代で精神疾患を患うも、心理療法等により克服し社会復帰。40歳で障がい福祉職に転職。学んだ全てを「生きやすくなる知恵」として整理しながら、生きづらさや心の葛藤を抱えた人への支援に従事している。
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ストレス社会を生き抜くための必須スキル|マインドフルネスの基本と実践【1】

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目次

はじめに

マインドフルネス」は、ストレスフルな現代社会を生き抜くために、もはや必須のスキルだと私は考えています。

なぜなら、自分を苦しめる感情や考えを客観的に捉え、距離を取って見つめ直すことができるからです。

現代社会では、職場やSNS、家庭内などの場面で、本当は辛いのに我慢して関係を続けたり、傷つくのが怖くて本音を話せなかったり、トラウマや劣等感から自信をなくしてしまうことがよくありますよね。

マインドフルネスを実践することで、嫌な感情や思考に振り回されず、心を整え、冷静に現実に対処できるようになります。

私がマインドフルネスを始めたのは、2015年頃。内科医の勧めで「数を数える呼吸法」を始め、その後『マインドフルネスストレス低減法』という本を参考に、毎朝15分の瞑想を続けてみました。

すると、1~2週間ほど経ったある日、通勤中にふと「今日は気分がいいな」と感じる瞬間がありました。さらに数日後、上司の言葉で嫌な気持ちになったとき、必要以上に自分を責めずにいられる自分に気がついたのです。

もちろん、マインドフルネスを始めたからといって、全てのストレスがなくなるわけではありません。ただ、以前よりも気持ちの切り替えがしやすくなり、心が軽くなるのを実感しています。

というわけで、今回から3回に分けて、「マインドフルネス」の基本と実践方法、実際の効果や体験談などについて紹介していきます。

1.マインドフルネスとは

まずは、「マインドフルネス」とは何かについて簡単に解説します。

1-1.マインドフルネスとはストレス対策の一つ

マインドフルネスとは「ストレス対策」の一つで、メンタルヘルス等の分野で広く一般的に取り入れられています。

毎日10~15分「心の筋トレ」と考えて習慣づけることで、仕事や私生活で心の余裕が生まれ、落ち着いて過ごすことができるようになります。

たとえば、不安にとらわれずに今やるべきことに集中できたり、価値観が違う相手の考えも尊重できるようになる、といった心のゆとりを感じられるようになります。

今では多数の書籍が出版されていたり、YouTube動画等も豊富に提供されていますよね。ですので、日常生活に少しずつ取り入れながら、自分のペースで行うことも可能ですよ。

1-2.ストレス対策としてのマインドフルネスの始まり

ストレス対策」の一環としてのマインドフルネスは、1979年にジョン・カバット・ジン博士が開発した「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」をきっかけに、世界に広まりました。

カバット・ジン博士は、仏教の禅やヨガといった東洋の伝統的な修行を、西洋の医療現場において治療の補助的手段として導入し、痛みやストレス症状を訴える患者に適用しました。

すると、身体の痛みや精神的な症状の改善が見られるようになったのです。具体的には、クリニックに通う慢性疼痛患者90名に10週間のマインドフルネス瞑想プログラムを提供した結果、痛みや不安、抑うつなどの症状が緩和し、薬の使用量も減少したと報告されています(Kabat-Zinn et al., 1985)。

このような治療結果を積み重ね、カバット・ジン博士は8週間のプログラムとして「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」を体系化したことで、「ストレス対策としてのマインドフルネス」が世界に広まる礎を築きました。

1-3.マインドフルネスの定義や意味

(Jon Kabat-Zinn, photo by Mari Smith, on wikimedia)

ちなみに、「マインドフルネス」の定義は、多くの研究者によって様々な表現が使われています。

この記事では、ジョン・カバット・ジン博士の以下の定義を紹介します。

マインドフルネスとは、独特の方法で注意を払うことです。意図的に、今この瞬間に、判断せずに。
(原文:Mindfulness means paying attention in a particular way: on purpose, in the present moment, and nonjudgmentally.)

(カバット・ジン, 2012, 引用者訳)

この定義は、一読しただけではイメージしづらいので、補足説明を加えると、以下のようになります。

マインドフルネスとは、次のようなやり方で注意を払うことです

  • 意図的に(on purpose):なんとなくではなく、意識的に注意を向ける
  • 今この瞬間に(in the present moment):過去や未来ではなく、今起きていることに気づきながら
  • 判断をせずに(nonjudgmentally):良い悪いを判断せず、ただありのままに受け入れる

このマインドフルネスの意味や本質は、実際に日々の中で実践を重ねることで、少しずつ体感できます。

そうすることで、マインドフルネスが、私たちの生きづらさやストレスを和らげ心を癒やしてくれる効果があることを、きっと実感できるようになるはずです。

ちなみに、マインドフルネスに約10年間取り組んできた私が言葉にする場合、次のような表現が体感としてしっくりくる気がします。

マインドフルネスとは、
自分の内や外で経験している世界を、ありのままに観察している、落ち着いた心の状態」のこと。

まとめ

マインドフルネスとは、「今この瞬間」に意識を向け、自分の内面や現実をありのままに受け入れる心のトレーニングです。

ストレス軽減や集中力向上などの効果があり、科学的にもその根拠が示されています。

次の記事では、具体的なマインドフルネス瞑想のやり方を紹介しています。

1日5~15分を継続することで、自分の思考のクセに気づき、冷静に現実に対処していくための心を作っていくことができます。まずは簡単な方法から試してみてくださいね!

↓続きの記事はこちらです↓

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参考文献

  • Kabat-Zinn, J. (1985). The clinical use of mindfulness meditation for the self-regulation of chronic pain. Journal of Behavioral Medicine, 8(2), 163-190. https://doi.org/10.1007/BF00845519
  • ジョン・カバットジン (2007). マインドフルネスストレス低減法 (春木 豊, 訳). 北大路書房. (原書: Full Catastrophe Living). https://amzn.to/3RLowom
  • ジョン・カバットジン (2012) マインドフルネスを始めたいあなたへ(田中 麻里,訳).星和書店.(原書: Wherever You Go, There You Are). https://amzn.to/47Snk9d
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精神保健福祉士/相談支援員
精神保健福祉士/相談支援員。基幹相談支援センター勤務。20代で精神疾患を患うも、心理療法等により克服し社会復帰。40歳で障がい福祉職に転職。学んだ全てを「生きやすくなる知恵」として整理しながら、生きづらさや心の葛藤を抱えた人への支援に従事している。

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