はじめに
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前回は、マインドフルネスとは、日々習慣づけていくことで、ストレスに対処できる心を育てていく「心のトレーニング」であるとお伝えしました。
今回の記事では、その最も基本的な方法である「マインドフルネス瞑想」の具体的なやり方をご紹介します。
今では心理カウンセリングや精神科デイケア、リワーク支援や就労移行支援事業所、一般企業での従業員研修など、様々な場所で広く活用されています。
私自身は、2015年に内科医に呼吸法を教わって以来、独学でマインドフルネスを習得し、日々の感情コントロールに役立てています。
ですので、あなたもまずは、毎日少しずつ時間を作って、焦らずゆっくり取り組んでみてくださいね。
継続すればするほど、スッキリした心で落ち着いた日常生活を送ることができるようになります。
あなたの心が、少しでも軽くなるような情報をお伝えできれば幸いです。
1.マインドフルネス瞑想のやり方
今回ご紹介するマインドフルネス瞑想は、次の2種類の方法です。
- 呼吸に集中する瞑想:
注意コントロール(今に集中するスキル)を養います。 - 思考を観察する瞑想:
感情コントロール(思考と距離を取るスキル)を養います。
これらは私が、ジョン・カバット・ジン博士の書籍などを参考にしながら、毎朝継続してみた結果、数日で効果を体感できた方法です。
初めての方は、まず「①呼吸に集中する瞑想」を《毎日5~15分×数日》続けてみてましょう!
「慣れてきたなー」と感じたら、「②思考を観察する瞑想」に進んでください。

1-1.呼吸に集中する瞑想

まずは「呼吸に集中する瞑想」です。
- 目的:注意コントロール(今に集中するスキル)を養います。
- 効果(メリット):
- 不安・緊張が和らぐ
- 気持ちを切り替えられる
- 「今やるべきこと」に集中できる
- 「ストレス要因に冷静に対処する心」を作ることができる、等。
- 時間:5~15分
- 場所:誰にも邪魔されない、静かな場所
- 姿勢:仰向け/椅子に座る/床に座る、等いずれOK。
(背筋が自然にまっすぐに伸びる姿勢を自分なりに探してみてください。) - あると便利なもの:
- 時間が分かるもの(音楽、タイマーなど)
- クッション、ヨガマット、など
心(頭)で行うこと
決めた時間が終わるまで、次の「ステップ1~3」を繰り返します。
「呼吸とともに動く体」に意識を向けます。
「浮かんできた内容」が、どれほど気になることでも、瞑想中は手放します。
体で行うこと
決めた時間が終わるまで、じっとしている。
1-2.思考を観察する瞑想

次に、「思考を観察する瞑想」です。
- 目的:感情コントロール(思考と距離を取るスキル)を養います。
- 効果(メリット):
- 思考を自分から切り離すことができる
- ネガティブな思考のループから脱出できる
- 現実に冷静に対処する心を作ることができる
- 価値観が違う他者とも良好な関係を築ける
- 「全ては変化する」という真理に気づく、等。
- 時間:15~20分
- 場所:誰にも邪魔されない、静かな場所
- 姿勢:仰向け/椅子に座る/床に座る、等いずれOK。
(背筋が自然にまっすぐに伸びる姿勢を自分なりに探してみてください。) - あると便利なもの:
- 時間が分かるもの(音楽、タイマーなど)
- クッション、ヨガマット、など
心(頭)で行うこと
この瞑想は「ステップ2.浮かんでくる思考を観察する」がメインのパートです。
そのメインパートの前後に「呼吸に集中する瞑想」を行う形にしています。
目安の時間配分を書いていますが、ご自身でやりやすいように調整してみてくださいね。
「呼吸に集中する瞑想」をまず行います。
思考が浮かんだら気づき、呼吸に意識を戻せる心の状態を作ってください。
思考が浮かんだことに気づき、観察します。
これには、次のようなイメージを浮かべると役立ちます。
イメージの例

- 浮かんだ内容を海岸の砂浜に書き、それを波が消していく様子を、あなたはただ観察している
- 浮かんだ内容を雲の上に乗せ、その雲がゆっくり流れて去っていく様子を、あなたはただ観察している
- 浮かんだ内容を笹の上に乗せ、その笹が小川を流れて去っていく様子を、あなたはただ観察している
- 浮かんだ内容を紙に書いて風船にくくりつけ、その風船が空に舞い上がり消えていく様子を、あなたはただ観察している
「呼吸に集中する瞑想」の状態に戻り、瞑想を終わります。
体で行うこと
決めた時間が終わるまで、じっとしている。
まとめ
「マインドフルネス瞑想」は、呼吸に意識を向けたり、思考を観察したりすることで、心を落ち着かせ、ストレスに強い心を育てる方法です。
毎日5〜15分の瞑想を続けることで、リラックスしやすくなり、気持ちを切り替える力や集中力が高まるとされています。
初めての方は、まずは呼吸に集中する瞑想から始めてみましょう。
忙しい日常の中でも無理なく続けられる、あなたのオリジナルな方法を見つけてみてくださいね!
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参考文献
- ジョン・カバットジン (2007). マインドフルネスストレス低減法 (春木 豊, 訳). 北大路書房. (原書: Full Catastrophe Living). https://amzn.to/3RLowom
- ジョン・カバットジン (2012) マインドフルネスを始めたいあなたへ(田中 麻里,訳).星和書店.(原書: Wherever You Go, There You Are). https://amzn.to/47Snk9d
- マシュー・マッケイ (2011) 弁証法的行動療法 実践トレーニングブック‐自分の感情とよりうまくつきあってゆくために‐星和書店.(原著: Dialectical Behavior Therapy Skills Work-book: Practical DBT Exercises for Learning Mindfulness, Interpersonal Effectiveness, Emotion Regulation & Distress Tolerance). https://amzn.to/47S8FeO